新制度への地方の不安

2024年から、技能実習制度に代わり、条件付きながら1年超で転職可能な、「育成就労」制度が始まります。新制度に不安を募らせているのが、地方の中小企業や自治体です。賃金などの競争では、大都市に勝てず、人材の流出が懸念されるからです。

そうした地方の不安を取り上げた、鹿児島県の地方紙の記事をご紹介します。



外国人人材の地方から都会への流出には、主に3つの原因があると考えられます。

1.より高い時間賃金、手取り月収を求める外国人側のニーズ

2.受け入れ企業や監理団体(旧技能実習の場合)、登録支援機関(特定技能の場合)の不当な待遇

3.気候(温暖な気候の国から来た外国人人材は、日本の寒冷地を嫌う傾向がある)

このうち、1については、鹿児島きもつき市の例のように、月収から家賃や生活費を引いた実質手取りでいうと、都会が必ずしも有利ではないことを、もっと外国人人材へ啓蒙していく必要があります。

2については、監理団体や登録支援機関が、十分な仕事をしていないのに高額な報酬を取るため、企業側がそのしわ寄せを人材の不当な待遇につなげるという、悪循環が見られます。今後、国の監督はより厳しくなっていくと思われますが、自治体も他人事に思わないで、共生政策の中に、企業も取り込んでいく姿勢が望まれます。

3については、どうしようもない・・・とも思われますが、日本人移住者を呼び込もうと考えている自治体ならば、寒冷地のデメリットをメリットに変える方策も持っているでしょう。そういう視点で、外国人人材にも対応することが重要です。

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